
僕は結構長い間、挨拶の出来ない子どもだった。空手を習っていて(習っていたんですよ)、稽古前に礼をするのだけど、心のどこかで「ボク(の親)が月謝を払っているんだ」と思っていた。誰かの悪口を言ったり、みんなが一生懸命にやっていることを馬鹿にしたりしていた(それはそれで信念があったのだけど)。
そんな僕の幼年時代が終わったきっかけは2つある。1つは、高校の3年生、しかも終わりごろに訪れた。その頃僕は、塾で知り合った友達とほぼ毎日、自分の身の回りにいる人や塾で目についた人のことを面白おかしく話しては相手(と自分)を笑わせようとしていた(後、受験勉強もしていた)。今思うと酷い話なのだけど、その友達の言葉のセンスや、「それに負けられない」という自分の気持ちや、こういう時間は長く続かないという思いから、その会話は毎日繰り返されていた。
そんなある日、その友達が言った物言いが余りにも面白かったので、その物言いの対象だった当事者本人に、その物言いをぶつけたことがあった。そのことを友達に話すと、その友達の反応は、僕の想像していた者とは違っていた。「それは、やりすぎなのでは?」と彼女は僕に話したのだった。
2階に上がってはしごを外されたような気分だったけど、その後、友達は、自分で定めている悪口のルールがあることを教えてくれた。1つは、悪口は目の前の誰かを楽しませるために言うこと。もう1つは、悪口を対象である本人に話してはいけない。
単純だけど、そのたった2つのルールは自分にとって衝撃的なものだった。
もう1つはまたの機会に話すとして(書き込みが長くなることに臆病なので…)、
この本は、僕のように大人の階段の一段目を踏み出すまでに18年も20年も(下手すると28年や36年も)かかってしまう病気を、中学時代の間に治してしまう力を持つ1冊だ(もちろん、14歳向けに書かれているくせに年齢制限がないのが、このシリーズのいいところ)。
玉袋さんのような先輩がいたら、……たぶん、僕は苦手なのだけど、おそらく、酒の席で玉袋さんが語っている言葉を、聞かないフリをしていてもつい話を聞いてしまうだろうと思う。そんな魅力のある語り口と、中身の込められた1冊だった。