一日で読みきってしまった本を、(できるだけ)その日のうちに紹介します。



16 October, 2008

伊坂幸太郎 『モダンタイムス』 [books]

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自転車のかごにむき出しで単行本を入れて、
赤信号や閉じた踏切の前で1ページでも先に進もうとする。
一日で本を読み終わる時って、異常だな、と思う。

『魔王』ですっきりしない部分があった人は、
大分すっきりできる作品だと思う。
伊坂幸太郎の作品で井坂好太郎が物語の主題を語っていくのも笑える、
というか、格好よく描きすぎだろ、と。

勿体ないので、今年中にもう一度読みたいです。


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29 September, 2008

伊坂幸太郎 『魔王』 [books]

久しぶりに一日で読み終わってしまった。
読み始めてすぐに、『砂漠』の西嶋を思い出した。

この作品は、僕がここ数年読んだ小説の中で、
有数のダサい小説だと思う。何せ、テーマが「ファシズム」で、
出てくる素材も「憲法改正」と「国民投票」だ。
ただ、この作品で伊坂さんは、西嶋ばりに
「ファシズム」と戦っている。

この作品の気になる部分は「魔王」が誰なのか、なのだけど、
クライマックスでその正体を垣間みた時に、
トリックにしてやられた、と思った。
(多分、他の人が読んでも、大半はそこがクライマックスとは思わないと思う)
伊坂さんの作品はトリックとテーマがマッチするように出来ている。
なので、未だにこの人がミステリーに分類されるのかが分からない。

個人的には、他の作品から読んだ方が良いと思うけど、
改めて伊坂作品を色々な人に勧めていきたいと思わせる1冊だった。


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17 June, 2007

伊坂幸太郎 『チルドレン』 [books]

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面白いので読まない本があって、僕にとっては伊坂幸太郎作品がそうだ。
何か、自分がズルをしているような気がするし、軽い嫉妬も感じてしまう。
でも、とにかく面白い作家だし、作品だ。

読んでいると、話す言葉や文章に、
ちらりと照れが感じられる(陣内にはそういう部分が微塵もみられないが)。
作者が意図的に入れたのか、作者自身が照れているのかは判らないけど、
これが作品の面白さを倍増させているように感じた。

「照れ」は、僕たちが話す会話には含まれる。
むしろ、「照れ」を駆使して会話をしているといっても過言ではない。
照れすぎるとアレで、照れない奴もアレだと思う。
僕達が実生活で感じている「照れ」。
だから、「照れ」を含む登場人物達が生き生きいしている。
我々が友達になりたいと思わせる登場人物だし、そうありたいとも思わせる。

そんな我々が傍観する陣内も魅力的だ。
彼は作中のスーパースターなので、遠い存在ではあるけど、
だからこそ、最終章の奇跡が永遠に続くことを永瀬は願うのだろう。

ベタ褒めだな、僕。


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16 June, 2007

大竹伸朗 『カスバの男』 [books]

070616.jpg

大竹伸朗のモロッコ旅行記。
去年の展覧会のミュージアムショップで買おうと思って、
お金が足りなくて諦めて、しばらくたって購入。

モロッコの混沌とした情景を描いている。例えば、
何十にも折り重ねられたポスターの塊や、
地面に散乱した生卵の残骸など。
モロッコの当たり前の風景としてそれが存在している。
一方、大竹伸朗はその情景を、都会の断片を組み合わせて作り出す。

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さまざまな国の街にはさまざまなディスプレイがある。
僕は、いまだに、自然の中を一人で歩きたいという境地には程遠い。
雑音と欲望うずまく、安っぽくて俗で下世話な物が
ひしめく街中を歩くほうがずっと刺激的だ。
小川のせせらぎに心の安らぎを求めたいと思ったことなど一度もない不幸な男だ。
自然はすべてパーフェクトすぎておもしろくない。
自分が欠点だらけだから、そんな素晴らしい自然の中に
放り込まれると居場所がないような気分になる。
欠点だらけの欲望ひしめくショーウインドウが、いつも僕を刺激する。

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03 February, 2007

玉袋筋太郎 『男子のための人生のルール』 [一日本]

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僕は結構長い間、挨拶の出来ない子どもだった。空手を習っていて(習っていたんですよ)、稽古前に礼をするのだけど、心のどこかで「ボク(の親)が月謝を払っているんだ」と思っていた。誰かの悪口を言ったり、みんなが一生懸命にやっていることを馬鹿にしたりしていた(それはそれで信念があったのだけど)。

そんな僕の幼年時代が終わったきっかけは2つある。1つは、高校の3年生、しかも終わりごろに訪れた。その頃僕は、塾で知り合った友達とほぼ毎日、自分の身の回りにいる人や塾で目についた人のことを面白おかしく話しては相手(と自分)を笑わせようとしていた(後、受験勉強もしていた)。今思うと酷い話なのだけど、その友達の言葉のセンスや、「それに負けられない」という自分の気持ちや、こういう時間は長く続かないという思いから、その会話は毎日繰り返されていた。

そんなある日、その友達が言った物言いが余りにも面白かったので、その物言いの対象だった当事者本人に、その物言いをぶつけたことがあった。そのことを友達に話すと、その友達の反応は、僕の想像していた者とは違っていた。「それは、やりすぎなのでは?」と彼女は僕に話したのだった。
2階に上がってはしごを外されたような気分だったけど、その後、友達は、自分で定めている悪口のルールがあることを教えてくれた。1つは、悪口は目の前の誰かを楽しませるために言うこと。もう1つは、悪口を対象である本人に話してはいけない。
単純だけど、そのたった2つのルールは自分にとって衝撃的なものだった。

もう1つはまたの機会に話すとして(書き込みが長くなることに臆病なので…)、
この本は、僕のように大人の階段の一段目を踏み出すまでに18年も20年も(下手すると28年や36年も)かかってしまう病気を、中学時代の間に治してしまう力を持つ1冊だ(もちろん、14歳向けに書かれているくせに年齢制限がないのが、このシリーズのいいところ)。

玉袋さんのような先輩がいたら、……たぶん、僕は苦手なのだけど、おそらく、酒の席で玉袋さんが語っている言葉を、聞かないフリをしていてもつい話を聞いてしまうだろうと思う。そんな魅力のある語り口と、中身の込められた1冊だった。


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